スタンダード化していくときに問題となるのは市場のコモン・プラクティスと産業別のコモン・プラクティスなのです。


法・規制に基づくプラクティスとベスト・プラクティスと企業別独自のプラクティスは問題になりません。


法・規制に基づくプラクティスとベスト・プラクティスは、多少言い方に語弊はあるかもしれませんが、いずれもルールに則ってやるものです。


企業別独自のプラクティスは企業独自のものですから、「これを止めてしまったらうちではなくなってしまうので、止められない」。


もしくは「これはおかしいね、この際直してしまおう」とはっきりしています。


ビジネスにとって、何といってもスタイルの変更、これが一番時間がかかります。


ビジネス・プラクティスにもいろいろあります。


だいたい五種類です。


一番目は国などの法・規制に基づくプラクティス、即ち規制に基づくもの、商法、税法などです。


二番目はベスト・プラクティスで、先ほどの活動基準原価計算や「かんばん」・JIT生産方式のようなものです。


三番目は市場のコモン・プラクティスで、日本にある企業だったら誰でもやっている日本という市場での共通プラクティス。


四番目は産業別のコモン・プラクティスで、日本の自動車産業だったら誰でもやっているという産業の共通プラクティスです。


それから五番目は企業別独自のプラクティスです。


「肝っ玉かあさん」

平岩さんは「私の中で京塚さんの声が聞こえてくるので、そのまま書いた」と語っており、この3部作の大部分を演出した川俣公明ディレクターは「45歳以上の女が主人公のテレビドラマは、それまでなかったが、京塚さんが独特の持ち味を発揮して、いい芝居をしてくれた。


今度は泣くそ、今度は怒るぞ、今度はどなるぞ・・・という期待が視聴者に出てきました。


京塚ママ中心にチームワークよく回転し、"飯食いドラマ"という批判もあったが、庶民のささやかな生活を大事に表現した」と、当時の録画状況を思い出していました。


技術の高橋紀男、照明の脇守、音響の大塚民生、撮影の細野克雄などのスタッフや初代の鈴木利正ディレクターなど演出陣の力も大きく、俳優は1時間前には集合し、早めに心を通じ合って、お互いに乗った状態でいい仕事をしました。

「肝っ玉かあさん」

「女性が仕事を持っていて、主人の代わりをして一家の柱になっている女。


そんな力いっぱい生きる女を存在感のある人間として平岩さんが書いてくれたし、京塚さんがそれにこたえて好演。


岡本信人が新人としてがんばり、わき役の山岡久乃、乙羽信子などがささえてくれた」と石井さんはテレビドラマとして中身が濃くなった理由を説明した。


また、このドラマがヒットした理由を、平岩さんは


「京塚さんのキャラクターが主人公にぴったり合ったことでしょう。これが最大の原因で、全体の90%を占めているといっていい。
感性の問題なんでしょうが、私と京塚さんは感覚的に似たところがあるんです」と語っており、京塚は「『肝っ玉・・・』の平岩さんの台本は、1回読んだだけでおぼえられるんです。


自然に自分が話しているようなセリフなので、ほかの人が書いたような気がしないんです」といっていたそうです。

「肝っ玉かあさん」

NHK朝のテレビ小説「旅路」を書き終えたばかりの平岩さんは、そのヒロインだった長山藍子の演技力を高く評価、佐野浅夫と長谷川裕見子のサラリーマン家庭の娘役に抜てき、京塚が経営する大正庵の長男・山口崇に嫁ぐという大役をあてた。


「"商売ドラマ"を書く気はまるでなく、家庭的な日常茶飯事をつかまえ、気持のヒダを追って書いた」といいます。


石井さんは当時名前に数字をいれ込むのが好きで、京塚の役名は大正五三(いさ)子、山口崇は一(はじめ)、長女役の沢田雅美は三三(みみ)子、山口と長山の長女は九(ひさ)子と命名しました。

「肝っ玉かあさん」

石井ふく子プロデューサーは「わき役ばかりだった京塚昌子さんを主役にして、肝っ玉のすわった、行動に自信があって一家をしょっている女の役をやってもらいたかった。


京塚さんならあいきょうがあって憎めないし、そば屋なら合うんじゃないかと思った」といい、もう1人の女性、脚本の平岩弓枝さんは「嫁・しゅうとめの問題を前向きな姿勢で明るく書いてみたかった。


そこで婚家と実家との食い違いをだすために商売屋とサラリーマン家庭を取り上げて対照的に描いた」といいます。

「肝っ玉かあさん」

集団ホームドラマの元祖は森繁久弥の「七人の孫」、山村聡中心の「ただいま11人」と続くが、このおじいさん家長型をガラリと変えたのが同じくTBSの「肝っ玉かあさん」で、"猛烈かあさん"大家族ドラマを大はやりにした。


市原悦子の「頑張れ!かあさん」、森光子の「もうれつ大家族」(フジ)などが、そのスーパー母さんの亜流ドラマといえます。


「肝っ玉かあさん」(43年4月4目~44年3月27日)がヒットし、第2部(44年4月3日~45年1月29日)、第3部(46年5月6日~47年1月20日)と相次いで生まれ、パートものを流行させ、また"商売ドラマ"のハシリともなりました。


では、こんなことを意識したかというと「まったくそうではなかった」と2人の女性は語りました。

「3時のあなた」

森光子は「放浪記」の名演技で芸術選奨文部大臣賞を受けたお祝いの席で「『3時・・・』は私が出ると不思議に事件が起こり、スタジオが寂しくなりますが、お陰さまでいろいろな勉強をさせてもらってます」と謙虚に語ったが、"再会"というコーナーでは、53年民放祭優秀作品賞を受賞、温かい人柄の司会で信頼感を高めています。


寺島純子は旺盛な好奇心、負けず嫌いの持ち味を発揮、歯切れのいい進行をし、うつみ宮土理は"愛の歌"シリーズが好調で、ナレーションがうまく、司会に人間味が出てきました。

「3時のあなた」

生活のにおいをなくしたサロン風な豪華さを売りものにして出発したが、しだいに企画中心になってしまったのを、49年5月から再び司会者を柱にして進行する原形にもどしました。


そうした要因には、TBSが同じ午後3時に「3時にあいましょう」を48年7月からぶつけてきて、制作関係者が生きがいを感ずるような番組作りばかりをしていられなくなったからであり、50年3月31日にTBSはNHKの名物アナ野村泰治氏を引き抜いて同番組の司会者に起用し、フジとTBSの3時の戦いはさらに激しさを加えました。


扇千景は52年1月に参院選に出るため辞めたが、それから司葉子、三田佳子が約1年、坪内ミキ子が約2年、中村メイコ、加茂さくらが約1年と女優司会者が入れかわった。


その結果、ずっと10年近く動かなかった森光子のほかに、ママになって再登場した寺島純子と愛川欽也と結婚後初の大役を受けたうつみ宮土理が、ともに55年4月から司会を担当、現在の第3期にいたっています。

「3時のあなた」

山口淑子は、木元教子の木・金を受けて44年4月から新司会者となり、森彬大ディレクターと組んで、ベトナムや3回のアラブ取材に出掛け、ことに日本赤軍の重信房子のインタビューは注目されました。


山口の話題のコーナーは"男を斬る"と"ワースト3"であり、49年4月参院選出馬のため退いた。


久我美子が半年ほど水曜日を担当したあとを受け、芳村真理が45年10月から登場、49年5月まで司会を続け、多くのタレントを招いて芸能色の濃い番組作りをし、今日の芸能路線の下地を作りました。


これまでが「3時のあなた」の第1期であり、49年5月から森光子が月・火、寺島純子が水、48年5月に高峰のあとをついだ扇千景が同49年5月に木・金に移り、華やかな第2期を迎えることになりました。

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