パエリアはじっくりと煮るが、その間、絶対さわってはならな
い、と村のパエリア作りの名入が宣言。日本で御飯を
炊くときの"赤子泣いてもふたとるな"ど同じような
もの。やがて水気がなくなり、ぴちぴち音がしてきた
ら出来上がりだ。
もうそのころは、村中においしそう
な匂いが満ちている。食べ方は、それぞれスプーンで
鍋から直接とって食べる。お米の固さはスペイン語で
エンスプント、生煮えでもなく煮すぎでもないという
意味。やわらかいごはんになれた日本人には固めだ。地
元の人々は、ソカレッソとバレンシア語でいうおこげ
を好み、鍋のふちにこびりついたものを争って食べる。
香ばしくてたしかにおいしい。
やがてお祭りは余興に入り、ヒデのギターに合わせ
て、村の人々がフラメンコを踊り始める。老いも若き
も一緒になって、遊びを徹底して楽しむ彼らのために、
時間も止まってしまったかのようだ。